あとがき

 公開を決めてから、久しぶりに読み返してみました。
 う〜ん、なんとも懐かしい。
 この「時流」は、まだ20そこそこだった時に書いた作品です。
 誰でも考える「生きる」ということをテーマに据えようと思い、力を込めて書いたことを憶えています。
 今読むと、センシティブな恋愛物のイメージがあって、結構爽やかな読み物になっている気もします。単一視点の客観描写と、モノローグの組み合わせ、というスタイルを意識的に用いた最初の作品でもありました。
 実は、何度か焼き直そうとも思ったのですが、これはこれで完結しているのかな、と思って公開を決めました。現在の若い人に(まだわたしも若いつもりですが)どういう感じで読んでもらえるのかなあなどと思っています。
 人生観や人物描写、恋愛描写等に拙いところもありますが、それもなんとなく好ましいような気がしてしまいます。我ながら。
 古い作品ですが、楽しんで頂けたなら幸いです。
(2001.03.12)

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