あとがき

 連載を始めたのが去年の12月20日だったので、都合3ヶ月半に渡る長期連載になりました。
 ここまで付き合ってくれた方、お疲れ様でした、そして、ありがとうございます。
 完結してから読んでくれた方、楽しんでいただけたでしょうか。
 この話を書いていた間に、身辺に大きな変化がありました。以前ほど書く時間が取れない中、ようやくここまでたどり着いた、そんな印象です。
 途中、かなり落ち込んでいた時期もあったのですが、時折みなさんのくれるメールが支えになりました。
 この話、当初の予定ではもっと人間関係が入り混じり愛憎が乱れ飛ぶ筋立てになる予定でした。主人公二人の気持ちは、どちらかと言うと行きずりのものに近く、愛欲だけが先行してしまった関係が、大学進学ですれ違い、別れて行く。そして、5年か10年後に再会して、という内容を考えていたのですが・・・。
 まったく違う話ですねぇ。
 妻曰く、「武史君を野球馬鹿にした時点で、もうそういう話にならないんじゃない?」
 ・・・ご明察。
 でも、自分自身この内容で納得しています。最初の筋立てにしたにせよ、描きたかったのは奇を衒わない恋愛物語。まあ、超純愛路線になったにせよ、その目的はある程度達したと思っているので。
 時代背景は、だいたい1990年から1995年くらいを意識していました。この頃は、やっぱり今ほどオープンに付き合っている高校生は少なかったなあ、などと思いながら。時々、暴走気味に純情路線を突っ走る二人に引っ張られて、年寄りの作者は青息吐息になることもしばしばでしたが、どちらかと言えば、元気付けられることの方が多かったかな、と。
 でも、一つだけ言えること。
 マルチ視点の話はしばらく書かない。はっきり言って、かなり労力を使う作業でした。
 こんなこっぱずかしいような話ですが、読んでくれたみなさんのちょっとしたビタミン剤になれたら、作者としてはそれ以上望むこともありません。
 実は、この5月に「コミティア」という創作同人誌即売会に参加するのですが、この話をまとめた本に、番外編を書くつもりです。後日談+エッチにする予定。ほとぼりが冷めた頃、このサイトにもアップするので、少し待っていて下さい。5章辺りを意識した、70%エッチシーンの内容でいこうと思っていますので。(気力が続くといいが。とにかく最近、エロを描くのがしんどくなっている。春になってちょっとは変わるだろうか・・・。)
 ともあれ、ようやく完結してほっとしています。次に向けてちょっと鋭気を養いに温泉にでも・・・。などと爺むさいことを考えている所です。
 それでは。
(2001.04.02)
 
 番外編、UPしました。これで、この話は本当におしまいです。
 完結後、たくさんの反応を頂きました。どれもこれもが力になるものばかりで、この話を書いて良かったなぁ、と少なからず感激しています。
 アダルト小説は、大人のファンタジーだと言います。しかし、今の社会の現状は、かつてのアダルト小説を超える猥雑な状況にあると感じることさえあります。確かに、人間は想像したものは全て現実に実行する生き物ではあるのですが……。
 もしかすると、こういった純愛小説が、かえってファンタジーになりつつあるのだろうか、そんな風にも思っています。
 この話は終わります。でも、他の話を読んで下さっている方はお気づきかと思いますが、この『世界』には続きがあります。現在連載中の『恋のStep-Up Lesson』と、『Love Spreads』は時空間を共有しています。そして、両方の話に登場した人物には長い物語が用意されています。
 書くのはいつになるかわかりませんが、『Love Spreads2』とも言えるこの話、気の長い方は待っていて下さると嬉しいです。(2001.5.16)
 
 ええと、性懲りもなく、番外編その2のUPです。
 十月発行のメルマガ創刊号の添付用に書き下ろしたものです。
 やっぱり、この二人は作者にとってもアイドルです。書いているととても初々しい気持ちになるのはどうしてでしょう。ずっと幸せにやっていって欲しいものです。さすがにもう、書くべきことはないと思うのですが、「これで終わり」とは言いません。きっと、三十才、四十才になった二人の事も、想像しようと思えばできそうですから。もはや、十八禁ものではなくなってしまうでしょうけれど……。(2001.12.10)
 
 さらに番外編3の公開です。SideB15万HIT記念と言う事で。去年の暮れにふわっと思い付いた内容を衒わず書いてみました。番外を書く時は、以前書いた物をざらっと読み直して、違和感がないようにこころがけるのですが、やっぱり少し照れますね、この二人の事を書くのって。ホントの主人公は英ちゃん。「幼児を書いてくれ〜」という、連れ合いのリクエストに応えた話でもあったり。そんなわけで、結婚四年を過ぎてもこんな調子の二人を、暖かく見守ってやって下さい。(2002.03.22)

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