私と彼女 番外編 -Sexual Graduation-

 ああ、もう、頭がくらくらする。卒業式の打ち上げだからって、
無理するんじゃなかった。飲めないこと、自分でわかってたのに。
 シャワー浴びても、全然直らないや。ああ、どこ見てるのか、自
分でも……。
「ね、のりちゃん」
 スミの目もちょっととろ〜んとしてる。でも、知らんかったなぁ、
スミがあんな飲めるなんて。
 って、いきなりのキス。す、スミぃ。
 う、痛、強過ぎ……。もう、さっきからエッチなことばっかり言
ってると思ったら。
「して欲しい〜? のりちゃん」
 いたずらっ子みたいな感じで見られると……、そりゃ、こんなと
こにわざわざ寄ったんだもの。でも……
「そ、それはね。でも、デリないよ、スミ」
「いいのいいの〜、みんなも無礼講〜って言ってたじゃな〜い」
 勢い任せでキス見せまくっちゃった内輪だけの二次会。「おお、
愛のあるベーゼだ〜」――みんなの声が脳裏に。ああ、ハズカシ。
あの時だってスミ、思いっきり舌入れてくるし。ホントにもう、た
だの酔っ払いなんだから。
 で、でも、私もちょっとその気になってたのは確か。ラストは、
私の方から首に腕回して離さなかったんだっけ。
「どうするのお? 正直言わないと、私、寝ちゃうから〜」
 膝元のベッドの上で猫みたいに丸くなって、細い目をもっと細く
する。
 え、えっと……。
「う、うん……、任せちゃおう、かなぁ……」
 ふふふ、息を吐きながら笑うスミ。
 ちょっと酔っ払いオヤジ入ってるけど、私だって、ね……。
 って、なんでそんなとこにドンと座るわけ?
「じゃ、のりちゃん、見せて」
「見せてって、何を……?」
「そりゃ、ひ・と・り・Hを」
 え、ええ〜っ! 
「え、だってぇ」
「だめ、のりちゃん。私に任せたんでしょ? ちゃんと見せてね」
 赤くなった頬に、すっかり座り気味の目。
 もう、イキナリなんて。見世物じゃないんだから。
「ほらぁ、みのり」
 真剣に睨まれると……、弱いなあ。う、もう、ちょっと恥ずかし
いけど。いいや!
 えっと、下着の上からオッパイをこうして……。太腿を……。
「だめ、全然気持ち入ってないよ。ちゃんと」
 酔っ払いスミ! もう。後からひどいからなぁ。
 ――でも、こういうの、嫌いじゃない、からなぁ……。
 カップの中で乳首……転がして……、あ、ちょっと、ジンとして
きた。頭もクラクラするし、思いっきり、しちゃおうかなぁ。
「そう、いい感じ。どう、みのり。気持ちいいでしょ」
「うん……」
 イヤだ、なんか頭の奥が痺れる感じ。ああ、ただの酔っ払いだ、
私も。もしかして、ヤバイこと、言っちゃいそう。
「ほらあ、どこがいいの」
 ベッドの上に組んだ両手に顎を乗っけてる。足の間の、すぐそば
に、顔があって……。
「……どこがいいの?」
 湿った声。
「……えっと、ここ」
「ここって」
「アソコ……」
 ちっちゃい声で言ったら、何だか頭の上まで痺れが来たような。
 まだショーツははいたまま。でも、上からそそっと……。
「いい?」
「う……、うん」
 やっぱり恥かしい。だって、いきなり見られながら一人エッチは
……。無理に、してるみたい。
「ね、ちゃんと見せて」
 あ、ダメ。そんなに顔、近づけちゃ。息が……。
 指、どうしよう。脇から、くぐらせ……ダメ。
 その時、手首が握られて。
「のりちゃん。ダメ、正直にならなきゃ。ほら……、こうやって…
…」
 す、スミ。強引。あ、握られた手首が回されて……う、ジンって、
した。
「言って。見せて。いいでしょ」
「う、うん……。い、イイ、よ」
 ダメだ、指、入れたくなっちゃう。あ、脇から、見えちゃう……。
「そう。あ、凄い……。ヌルヌルだよ」
 あ、ヌルヌルなの? やっぱり、感じてるんだ。スミに見られて、
感じてる……。
「あ、う……」
 どうしよう。こんなのエッチ過ぎる。だって、指が……。
「入れて、みのり。ぐちゃぐちゃにしたいんでしょ。かき混ぜたい
んだよね」
「う、うん……」
「ほら。見せて。ううん、見えてるよ。花びらも、ほら、小っちゃ
なお口まで……」
 言わないで。言われると、何だか……。
 でも、見えてる? あ、スミの顔が、座った足の間で……。ダメ、
そんな明るいところで、見られたら……。でも、見て欲しい。一杯、
見て欲しい!
「ああん、ダメ。スミ。開いてイイ? イッパイ、見せてイイ? 
ねぇ……」
「いいよ、みのり。開いて。そう、見えてる。お指入れて」
「うん、イッパイ。見て、見てぇ」
 あん、ダメだ。凄い。気持ちイイ。頭の中が真っ白になって、口
走っちゃう……。どうしよう。
「いいの、すごくいいの。スミ。もっとしていい?」
「そう。ここでしょ」
 ああぁ! そんなにされたら……。私の指に絡んで、スミの細い
い指が入って、きて。かき混ぜて、一緒に動いて、横の壁、前の深
いところ……。
 ああ、ダメ! そっちも触られたらぁ。
 ……あ、でも。
 後ろへの道を辿りかけた指が、また戻る。そして、もう一度前の
入り口を触って。
「みのり。どう? どこが欲しいの?」
 前の泉の中は私の指と絡んだまま。もう一方の手は……。ああ、
もう、だめ。そんな、奥、撫でられて、ぎりぎりで止められたら。
「あ、スミぃ。お願い……」
「ダァメ。ほら、ちゃんと言って。淫乱のりちゃん」
「う、うん。欲しいの。お尻にもスミの指。突き刺して。グリグリ
してぇ! おね……」
 あああ、ダメ。いきなり。
「ほら。のりちゃんのお尻の中、アッタカイよ。どう?」
 ちょっとだけ入ったスミの指。あ、ダメ。そんな風に入り口くす
ぐられたら、変なこと、いっちゃうぅ。
「言って。どこが気持ちいいの?」
「う……。どっちも。前も、……お尻も」
「……ダメ。もっとちゃんと言わなきゃ」
 耳元に唇。スミの息も、ちょっと乱れて熱い。
「ほら、ちゃんと言って」
 う、うん……。
「して……。ね、奥までぐりぐり。うん、してぇ! スミのお指、
イッパイ突っ込んで、抉って!」
「そう、じゃ、し・て・あげる」
 ああ。もう、ダメ。
 スミの指が、お尻の中にググッって。あ、そんな奥まで抉られた
たら、うぅ……。
 だ、ダメ。に、ほんなんて……。あ、うううぅ。
「すごい、みのり。どっちもギュッてしてきてるよ。ほら。ほら…
…」
 前で重なった指が、止まらない。それで、お尻に入った指も擦り
合わせるみたいに動いて。
 でも、でも!
「あん、ダメ。もっとやって! メチャクチャにぐりぐりしてぇぇ」
 あ、そ、そんなに……。
 お尻の中に、もっとグッて押し込まれて、ああ、そんなに動かさ
ないで!
「ああ、深い。のりちゃん、すごい。ホラ、ホラ!」
「い、ダメダメ」
「イきたいんでしょ、のりちゃん。ね」
 手の平が、クリちゃんの根っこにも当たって、うぅ、お腹の奥が
震える、みたいに……。
「うん、イきたい……イかせて……、ああ、イク、イクぅぅぅ」
「イって! みのり。ホラ、思いっきり!」
「あ、ダメぇぇぇ」
 あ、真っ白。何だか、頭だけで持ってかれるみたいな……。
 …………。
 ちょっと、いびつな感じ、かも……。でも、気持ちいい。
 フワフワした感じがずっと。しばらく、何も考えられない。目蓋
の裏にたくさんの星。締めつけられた身体が、だんだんに解けてい
って。
 スウ、スウ、スウ……。
 初めて聞こえてきた音は、いつもよりちょっと激しい感じの、寝
息?
 あ、もう……。
 まったくデリカシーないんだから、スミ。これじゃ、ホントに酔
っ払いオヤジじゃない。
 強引にエッチするし。もう、いろいろ言うし。
「このやろ!」
 はあ、でも、私もか。
 寝息を立てる紅い頬に、握り拳を当てかけて、一つ息。
 さっきまで叫んでた言葉が脳裏を掠めて、何だか恥かし気味に顔
をしかめたくなって。
 とっさに、軽く刈り上げになったうなじに手を当てる。
 なんだか、前の私みたいな髪型にしちゃって。
 ジン……。
 愛されてた場所が、ちょっと切ない感じでじんわりする。下腹の
奥も、まだ暖かい。それに、まだ頭も回ってる感じ。
 シャワー浴びて……、私もちょっと、寝ようかな。
 朝に間に合わないと、親父に殺される。ラブホ寄っててバックレ
た、なんてわかったら。
 うつ伏せ気味に丸くなったインナーだけの姿にシーツをかけて、
頬にキス。
 ……明日からまたがんばろ、スミ。次は、私が愛してあげるから
ね。
 まだボーッとした頭に、振りかかるシャワーがすごく気持ちいい
……。

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