あとがき

 長編校了時には書くことにしているあとがきですが、本当に久し
ぶりになりました。
 それだけ執筆をさぼり気味だった、と言うことですが、まあ、そ
うそういつも順調にいくわけでもないかなぁ、とこの一年を振り返
っているところです。

 この『シカク』は、「対」の想い合いを主体とする話の多い当サ
イトのカラーに、少し違った色合いを交えようと考えて始めた連載
でした。
 本当は、ちょっと浮世離れした四人、もう少しエッチな展開にす
るつもりだったのですが……、わたしのいつもの癖か、結局はあん
な感じのエンドになりました。
 キャラの気分を優先して組み立てていると、なかなか思うように
は動いてくれないようです。書き進むにつれ、少しずつ、現実に近
いニュアンスが多くなってしまいますし。
 でも、作者としてはそれなりに納得する話になりました。
 読んでくださったみなさんは、いかがだったでしょうか。
 作者の一番のお気に入りは、杏奈でした。ああいうタイプ、好き
なんですよね。彼女が一番動かしやすくて、書いていて楽しくて仕
方ありませんでした。独立した番外を書きたいくらいで。
 「タヒチの太陽」ってのははまった表現だねぇ……パートナーの
感想ですが、なるほど。今日本のゴーギャンの女性って感じかなぁ、
とか。無意識でしたが……。

 さて、今「ちなみちゃん」の新作を書いていますが、これを上げ
たら、しばらくはオンラインで「ライト系」の話は書かない予定で
す。
 じっくりしたものを書きたい、そういう欲求が強くなっているよ
うですし、自分の適性もそちらの方にあると思っています。
 当たり前にコミック世代のわたしにとっては、こういう軽い話に
も愛着があるのですが、しばらくは封印ですね。

 それでは、ちょっとずれたこの四人組の話にお付き合いしてもら
い、ありがとうございました。
 いつも、読んでいただいているみなさんに何よりも感謝していま
す。
(2003.5.31)

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