ちなみちゃんの友達

 はにゃ〜、ねむいにょ。
 窓際でポカポカお日さま。
 ポカポカ、ポカポカ……。
 昨日ちょっと夜更かしさんし過ぎちゃったかなぁ。
 
 でもでも、すごくカッコイイ男の子だったし。
 キモチも良かったんだにゃ。
 へへへへ。
 
 もうだれもいなくなっちゃった。
 からっぽで、机と椅子だけの教室。
 な〜んか、ちょっと寂しい感じ。
 
 …うぅ、カイちゃん遅いなぁ。
 新しいコスメショップ、楽しみにしてるのに〜。
 秋の新作カラー、試したいんだよね。
 
 う〜ん。でも、ポカポカが……。
 ポカポカ、ポカポカ、ポカポカ、ポカ…………
 
 
 
 ちな!
 
 へ?
 ちな、何寝てんのよ! 昇降口で待ってるあたしがバカみたいでしょが。
 
 あ、太い眉に……、細長オメメ……。
 はれ、カイちゃん、なんでわたしの部屋にいるの?
 パラパラ短い髪。カッコイイ唇……。
 でも、ベッドにしては固いなぁ、この腕の下。あ、わたし!
 時計の針――う、もう1時過ぎてるにょ。
 
 ちなぁ!
 あ、そっか。ゴメ〜ン、カイちゃん。でもでも、カイちゃんが待たせるからぁ。
 待たせるって……。ね、ちな。あんたの、勝手にアタマの中で組み立て病、末期まで進行してない? すぐ行くから、下駄箱で待ってて。3限の休み時間に言ってたのはあんたでしょが!
 
 あ、そうだった。はにゃにゃ。
 
 ご、ゴメ。だってだって、数学の授業、お日さまがあんまりアッタカイから、ポカポカしちゃって……。
 へーへー、すぐに見に来なかったあたしが甘かった。ほら、行くよ。
  
 うん。カイちゃん、ココロ広い〜。大好きだにょ。
  
 チュッ!
  
 こら、ペタペタすんな。そういうのは陸にしときな。
 もう、照れ屋さんなんだから、カイちゃん。シンアイの表現だよ。
 はいはい、わかりました。
 
 
 
 新しいショップ、よかった。
 わたしもネイルアート、してみたいにゃぁ。
 でも、学校がダメダメだから……。
 リップの色も、今年は青っぽいのがはやるのかな。
 
 ちな、なんか食べてく?
 う、うん。(で、でも……。今日は陸くんからお誘いがあるかも)
 何にする? 欧風系? エスニック系? 和風?
  
 う、う〜ん。
  
 ん? 何か用事ある? ならいいけど。
 
 ちょっと寂しそうなカイちゃん。ううう。だよね、だよね。カイちゃん、タロ君と別れてふた月だもんね。
 ううう、やっぱりわたしがなぐさめてあげなきゃ。だって、カイちゃんにはいっつもお世話になりっぱなしだもん。
 
 ううん、なんにもないよ〜。やっぱ、辛いのがいいな、わたし。
 ちなは、ほんとに辛いもんが好きだねぇ。
 カイちゃん、軽く笑った。うぅ〜ん。幸せだにゃ。
 
 
 
 いろいろ話したなぁ。
 ときどきカイちゃんの話ってムズカシイ。
 自分らしくあるために、自分ができることを考えたい――う〜ん、う〜ん。なんかわかるような、わかんないような。
 でも、しょうがないよね。ウチの学校から大学行く人なんて、そんなに多くないもの。
 うんうん、カイちゃんは賢いのだ。
  
 ただ、わたしは思うんだにゃ。アタマ使い過ぎると、ちょっと暗くなっちゃう。だって、みんなそうだもの。
 ちょっと休んだ方がいい時もあるノダ。うん。
 
 ちなの家に行くの、久しぶりだね。
 そうだっけ?
 そうだよ。一年の時以来でしょ? でもそうか、あんたとも結構長くなってんだ。
  
 あ、そっか。へへ、あの時、カイちゃんとわたし……。
  
 何えへら笑いしてんの、ちな。
 ううん、なんでもないよ〜。
 相変わらず、動物王国?
 あ、うん。いっぱいいるよ。ライちゃんに、ケム君。たぬたん、ベクたん、カンさん。フカフカなんだな〜。う〜ん、シアワセ。
 はいはい、まったく。
 
 
 
 攻撃開始なんだにゃ。
 
 お、おい。ちな。ペタペタしないの。中間の赤点回避法伝授して欲しいんでしょ。
 え、そんなこと言ったっけ〜。
 おい。まさかとは思うけど……。
 制服の裾から手を入れちゃうんだにゃ。うん、カイちゃんの身体、暖かいにょ。
 こ、こら。ちな。
 へへ、さっき思い出したんだ。だって、前にカイちゃんがこの部屋に来た時って。
 
 あ、ああん。
 とおってもかわいいあえぎ声だったにゃ。
 形のいいやわらかぁいマシュマロ。
 ぎゅぅってしたくなっちゃう、かわゆいおしり。
 
 うう〜ん。カイちゃん、ホントはとっても可愛い女の子なんだにゃ。
 
 ちな。勘違いしないの。わたしはそういう趣味、ないんだから。
 え? シュミ? ううん、そんなんじゃなくってぇ、ちょっとおやすみ、おやすみ。カイちゃん、ミケンにしわ寄せてばっかりだよ。タロ君とお別れしてから。
 たく、すぐにそういう方向に話を振る。別れるべくしてなんだから。どっちかっていうと、サバサバ……、む、ムググ。
 あん、柔らかいんだにゃ。カイちゃんの唇。
 こ、こら。調子に乗らない! 用がそれなら、あたしは帰るからね。
 
 むむ、強情なんだ。絶対、寂しいはずだもの。電車で、ちょっとだけカイちゃんからピッタリしてきたの、わかってるんだからぁ。
 
 あ、そうだ。
 
 ね、カイちゃん。オトコの子となら、寂しくない?
 は?
 だって、ポンってなっちゃイヤだから。
 はい? ポンって?
 だから、あんまり頑張りすぎるとぉ、おかしくなっちゃうよ。
 ちなぁ、なんか根本的な誤解があるような。あたしは、元気だって。そりゃぁ、ちななりに心配してくれてんのは嬉しいけど。
 ほんとに?
 ああ、元気だよ。
 ホントのホントに?
 ほんとだって。まったく、ちなはいい子だね。陸の気持ちもわかるような気がするわ。
 
 カイちゃんのニッコリ顔。わたしのアタマをポンポンする手。ううん、違うんだにゃ。なんか……。
 うう〜ん、うう〜ん……。
 
 ちな。用がないなら帰るよ。
 立ちあがったカイちゃん。カバンを持って……。
 
 ダメだにゃ。
 
 ぎゅっ。
 
 背中から手を回したら、短い髪の毛がくすぐったくて、いい匂い。
 首筋に、チュっ。
 耳たぶに、クチュっ。
 
 ちな、もう……。しょうがないなぁ。
 だって、カイちゃん。楽しい事、嫌いじゃないでしょ。
  
 ……そりゃそうだけど。わたしは、千波美みたいにはいかないんだ。
  
 低い声。
  
 ドキ。
 すっごく、ドキってした。
 
 やっぱりカイちゃん、寂しいんだ。
 
 あ、ごめん。ちな。悪いつもりで言ったんじゃなかっただけど。
 え? 悪いつもりって?
 いや、その。ちなはちならしいのがいいし、わたしは……。
 へ? いいのいいの、カイちゃん。ごちゃごちゃ考えなくても。やっぱ、ちょっと気持ちよくなろ。
 
 ははは、まったくちなは。
 
 ね、いいでしょ。カイちゃん。
 
 ……ま、いいか。なんか、前回もこんな感じだったような気もするけど。
 そうだっけ?
 そうそう、時々ちなって、すごく強引なんだよね。気が付いてないでしょ?
 うう〜ん。そうかな〜。でもでも、今日はこないだとはちょっと違うよ〜。だって……。
 
 
 
 カイちゃんの身体、凄く綺麗。
 イッパイ舐めてあげちゃう。
 白いマシュマロちゃんの先のさくらんぼ。
 かわいい耳たぶ。
  
 ああ、もう……。
 
 もっと感じてね、カイちゃん。
 
 ちっちゃなおへそもかわゆい。クチュクチュ。
 ピッチリした足。チュッ、チュッ。
 うん、いい匂いがしてきたにょ。
  
 足開いてね。
 
 あ、ダメだって、ちな。
 
 ニュニュニュ……。
 うん、あふれてる。
 舌にちょっとピリピリ。
 あ、思い出した。カイちゃんの気持ちいいおつゆ。
 もっと奥まで舐めてあげるね。
 
 あ……。
 
 ちょっとだけ、ピクッてした。
 もう、カイちゃん。やっぱり溜まってるんだ。
 
 うん、でもでも、これからだにょ。
 さっき思い出した、とっておき。
 
 えっと、こっちの先っぽをぎゅっと押しつけて……。
 アン。わたしも濡れちゃってる。
 で、これをカチッと留めて……。
 
 ち、ちな。それ、何?
 え、こないだ買ったのだよ。双頭タイプディルドー、激しく愛し合ってもずれない、密着型ベルト付き、の。
 そうじゃなくて、なんでそんなもの買って、じゃなくて、今つけてるの!?
 だって、カイちゃん、オンナの子同士のシュミ、ないって言ったじゃない。
 そういう問題じゃないでしょ! そんなニセモノ付けたって、変わりないでしょ。
  
 もう、カイちゃん。そんなびっくりしなくても。
 
 う〜ん、ニセモノでいいんじゃないかなぁ。ホンモノは一つだと思うよ。楽しいのはイッパイあるけどぉ。
 
 ……ふふ、そうかもね。まったく、妙に説得力あったりして。
  
 カイちゃん、笑った。
 うんうん、なんかうまくいったみたい。
 イッパイ気持ち良くなるにゃ。
 
 
 じゃ、カイちゃん。わたしの舐めてね。
 う、うん。ちょっと違和感あるけど……。
 いいのいいの、ちなくんだよ。今のわたし。
 
 見下ろしたら、カイちゃんの頭が前に後ろに揺れてる。
 なんか、ゾクゾクするぅ。
 ニセモノのビンビンが、唇から出たり入ったり。
 あん、舌を突き出して先っぽ舐めたり。
 カイちゃんもやっぱりHだぁ。
 
 どう、ちなくん。気持ちいい?
 うん、いいよ……。
 
 ベッドに四つん這い。
 ちょっと触ったら、凄い洪水状態。
 お尻をグッと押さえて。
  
 ムニュニュ……。
 あん、入ってく。
  
 あ、いい……。
 ちっちゃく呟く声。
 カイちゃんのに力が入るのがわかる。
 グッと引っ張られると、わたしの中のも、少し動いて。
  
 ゆるゆる動かしちゃう。
 最初は、その方がいいよね。
 下を向いてる胸に手をかけて、乳首をコロコロ。
 腰がぐいぐい押しつけてくる。
 あ、ダメ。先に感じちゃいそう。
 
 ハアハア、ハアハア。
 
 カイちゃんとわたしの息が一つになってくる。
 もうちょっと、もうちょっと。
 身体をひねって、伸ばした手がわたしの腰を近くに寄せる。
 うん、そうだよね。もっと深くに欲しいよね。
 ドンドン早くなる腰の動き。
 ちょっと目を下に向けたら、桃色の中に沈み込んでくモノ。
 
 ヤン、もう感じちゃう。
    
 カイちゃん。
 ちな!
  
 う、うぅぅ……。
 
 ビクビクが、繋がった部分を通して伝わってきた。
 そのまま、べったりとベッドに倒れこんじゃう。
  
 
 
 まったく、ちなのヘンタイモードに巻きこまれちゃったよ。
 えっ〜! ヒドイ、カイちゃん。わたしのせいばっかりにして。
 だって、さぁ。
 
 ちょっと照れくさそうな顔。
 う〜ん、もう一回、チュッ!
 
 それにしても、よくそんなもの買ってこれたねぇ。何処で?
 うん? 池袋のお店だよ。狭くて、階段おりた地下の。
 オイオイ、大丈夫だった? 変なオヤジとかいなかった?
 あ、ああ。若い子に後つけられちゃった。
 
 そうそう、そうだったっけ。
 
 はぁ、ストーカーじゃない。ちな、少しは気をつけないと。
 うん? でも、悪い子じゃなかったよ。
 へ? 話したの?
 うん、気持ち良かったし。
 ……何ぃ? まさか。
 うん。そだよ。
 
 アタマを抱えるカイちゃん。
 だって、だって、カッコイイ子だったし、全然普通だったから。
 それに、病気とヒニンは気を付けてるもん。
 
 まったく、あんたと話してると、自分の常識が疑わしくなってくる。陸も、よく付き合ってると思うけど。
 えっ、だって、陸くんはオッケーって言ってるもの。
 ふぅ……。それが凄く不思議。陸って、ちょっと見にはほんとにノーマルな人間なのにね。
 
 ……もうもう、ひどいんだ。カイちゃん。
 でも、それがいっつもちなの言ってる、アイなのかなぁ。
  
 揃えた指が、ほっぺをムニュっとした。
 
 うん、そだよ。わたしと陸君にはふっとくて赤い糸が繋がってるんだ。
 別の太い繋がりじゃないだろうね〜。
 あっ〜ッ、カイちゃん、オヤジだ。
 はは、許して。でもまぁ、あたしもちなの事言えないなぁ。なんか、陸の顔も見にくいかも。
 あ、いいよ。わたしから言っとくから。カイちゃんと、ちょっとしちゃったから、って。
 うわ、やめてやめて。困るじゃない!
 へへへ、じゃ、内緒にしとくねぇ〜。
 まったく、ちなは。
 
 うん、カイちゃん、元気になったみたい。
 わたしも気持ち良かったし〜。
 うんうん、今日も良く寝れそうだにゃ。

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