微熱! 発熱! ちなみちゃん

 うん、だいじょうぶだよ。
 ほんと、珍しいね、千波美がガッコ休むなんて。
 そうだよねぇ。わたしも忘れちゃった。小学校の頃だったっけ?
 なんとかは風邪引かないって聞いたけどなぁ。
 あ〜、ヒドイ〜! アンナちん!
 ハハハ、冗談。お大事にね、千波美。
 
 プチ。
 
 はふ〜。いっぱい携帯かかってくるなぁ。
 やっぱ、みんな心配してくれてる……チャカチャチャ〜ン♪
 
 あ、千波美さん?
 男の子の声だ! 陸く……あやや、違う〜。
 はい。
 何だか熱出したって。
 うん、ちょっとね。
 もしかして、僕のせいかな。
 え? 違うよ。たぶん、敦くんと一緒の時はもー、引いてたと思うもん。(そうそう、だって、おとといだもん)
 そうかぁ。ならいいんだけど。
 でも、した後ハダカでいたから〜。ヒドクしちゃったのは敦くんのせいかも。
 ち、千波美さん。
 へへへ〜。じゃね。
 
 おくすり、飲まなきゃ。うぅ、すっごくカラダが重い〜。
 えっと、ママが置いてった袋は……はにゃにゃ、ヒザに力が入んない〜。
 カーペットの上をズルズル、ズルズル。なんだかナメクジみたい。
 はふ。ふた袋と、ひと粒、かぁ。
 ゴクゴク。
 うう〜、このおくすり、すっごく苦いぃ。
 でもでも、ガマンガマン。
 えっと……妙薬口が苦い、だもんね。
 
 
 
 窓、開けるわけにいかないよね。
 カーテンの向こう、すっごく寒そうだにゃ……。
 どうして寒くなると風邪がはやるのかなぁ。
 わたしがアッタカイのが好きなのとおんなじで、風邪菌は寒いのが好きなのかな〜。
 お日さまがポカポカしたら、ジュゥ〜って焼いちゃってくれないかにゃ。
 あ、そしたらわたしも焦げちゃうかにゃぁ。
 小麦色に焦げたら、夏娘。燃えろ〜っ。
 はふ……、まだまだ先だにゃ……。
 はやくアッタカクなれ〜。
 アッタカクなれ〜。
 アッタカク………。
 
 
 
 ちな、苦しくないか?
 苦しいけど、だいじょぶだよ。
 くっついててやるな、ちな。
 うん、ありがと。陸くん。
 ぴったり、アッタカクておっきな胸。
 うん、陸くん、LOVEだにゃ。LOVELOVEぅ……。
 
 
 
 う、う〜ん……。
 
 あ、なんだか、お日さまが向こう側にある。
 
 う〜ん……。 
 
 えっと……。そだ、わたしの部屋だったっけ。
 ひや、顎のところがベタベタする。うう、脇の下も、オッパイの間も〜。
 はにゃ、すっごい汗だ〜。髪の毛までぇ。
 寝巻きがビチャビチャ。着替えなきゃ。
 ん?
 あれ?
 少し、すぅ〜っとしたかにゃ?
 うんうん、いいみたい。熱は……額にペタ。
 うん、下がってる。
 へへへ、健康二重丸のお墨付きなんだから。回復は早いぞ。最大回復呪文〜! オヤスミズン! なんてね。
 さてっと、どんなお寝間にしようかなぁ。
 う〜ん、これっ!
 ピンクハートの前開きオーソドックスな奴。
 
 
 うわ、たくさんメール入ってる。
 まきくん、早く治せよ〜、か。
 くまちゃんは?
 へへ、エスニックなお店に新ランチメニューだって。
 うう、明日は学校いけるかにゃ。あそこの美味しいから、すぐにでも食べたいノダ。
 カンさんからもだ〜。
 うん、もうだいじょぶだからねぇ。
 他にも一杯。ちょっと読みきれないんだにゃ。でも、パラララっとスクロールして、む……。もう一度戻して………。
 むう。
 
 しょうがないのかなぁ。遠征だもんね。携帯見てる暇なんて、ないもんね。わたしのメールも、見てないんだろなぁ。
 
 チャカチャチャチャ〜ン♪
 
 は〜い。あ、カイちゃん?
 お、ちな。元気そうじゃない。昨日はどうなるかな、って思ったけど。
 え? そんなにヒドかったかなぁ。
 目がイっちゃってたよ、朝から。家出る前に気がつかんかったの?
 う〜ん、ちょっと変かな〜、とは思ったんだけど……。
 そういう時は、すぐ誰かに言えば……、あ、そか。
 うん、そうなんだ。
 ……ママ、夜勤だったもんね。今日からは昼勤だし。
 弟くんは?
 へへ〜、デート。二人はアツアツ! なんだな。だから、今ごろは、アレやコレやでムフッ、なんじゃない?
 はいはい。熱出してまで変な妄想してないの、あんたは。でも、ちな、一人じゃん。
 そだよ。
 わたし、行ってあげようか?
 ううん、いいいい、カイちゃん。明日、何かテストでしょ。えっと……。
 研文社模試。ま、ど〜でもいいんだけどね。
 よくない、よくない。カイちゃん、わたしのホコリなんだからね。大学行ったら、みんなに自慢×自乗のつもり。
 はいはい。いまどき、大学行くのが自慢になるとも思えないけどね。どっちかって言うと、箒で掃かれちゃう方かな。
 へ? ホウキ?
 あ、いいのいいの。ま、ちなも元気そうだし、自慢になるよに頑張りますかな。
 うんうん、それがいいそれがいいと言いました〜。
 ふふ、じゃね。
 ……あ、そだ。カイちゃんなら。
 ね、カイちゃん。
 ん?
 あのさあ、やっぱ遠征って……。
 あ、でもやっぱり、そんなことカイちゃんに聞いても、しょうがないよね。
 テンセイ? 何?
 ううん、何でもないんだ〜。じゃね、カイちゃん。
 ……うん、それじゃ、ゆっくり寝なよ。
 
 プチ。
 
 カイちゃん、いっつも優しいにゃ。頑張り屋さんだし。勉強も二重丸……うにゃ、三重丸だし。
 はあ、でも、おなか減ったなぁ。
 冷蔵庫にいろいろあるって言ってたっけ。よいしょっと……。
 あ、アレレ。
 う、やっぱり少しフラフラする……、まだ、ダメかにゃぁ。
 
 はふ〜。
 はふふ〜。
 
 なんか食べないとダメダメ。お薬、もう一回飲まないとムリかな……。
 う〜ん。よいしょっっ。
 
 
 ビッグプリンと、健康二十個野菜ジュースと、レンジでポンのお雑炊と……。
 
 うう、おいしくない。プリンが一番おいしくない……。でも、ガマンガマン。
 お薬飲んで……苦い! もう、この粉の奴、ひどい味。
 はあ、やっぱり風邪はイヤだ。
 
 
 
 はふ……。
 さっきよりは、楽だけど……。アタマがクラクラする、かなぁ。
 なんだか天井がすごく遠くに見えるにょ。
 電気がボワワン〜って、にじんでるし〜。
 あ〜あ、もうこんなに暗くなっちゃった。
 潤くんも遅いなぁ。しのぶちゃんとLOVELOVEなんだろな〜。
 
 
 はふ…。
 陸くん……。
 
 
 うぅ、やっぱりなんかヘンだにゃ。
 カラダがカラダじゃないみたい。
 
 フワフワ、モワモワ……。
 モワモワ、ジンジン……。
 ジンジン、ドックンドックン……。
 
 う〜ん、心臓のドキドキが変なところで鳴ってるにゃ。
 うぅ……、なんだか……。
 でも……。
 こんな時にしちゃったら、ヒドクなっちゃうかな。
 でも。
 なんだか、ドックンドックンと、ジンジンが、ヘン……。
 
 あ。
 
 ちょっとだけ、でも……、先っぽに触れただけで、ビクって。
 
 下の方は……。あ…、何で〜。
 すっごくぷよぷよになってふくらんじゃってる。外側も濡れちゃって……。
 あ。
 クリちゃんも、すごくおっきく……。
 
 ジンジン……。
 
 もう、ダメ。しちゃう、にゃ。
 
 下向きになったオッパイがタプタプ。
 手でギュゥッと押さえて、コロコロを転がして。
 あん、ジンジンが。
 もっと、揉んで。両手で、イッパイ。
 形が変わっちゃうくらい。
 つまんで。ちょっと引っ張って……。
 
 あ、すごく固くなってきたにゃ。
 頭がボンヤリ……。
 ジンジンがモワ〜っと広がって、ヘンだ〜。
 
 クリちゃんは……?
 あん、プリってしてる。軽くねっこを撫でて、こすって……。
 こすって、ツルツルの頭を、ちょっとだけ、サワッ。
 そのまま、あ、開いちゃってる……、ヌルって中まで滑り込んじゃって。
 ゆっくり沈めてぇ、ゆっくり。
 お指をおなかの方へグッと押すと、切ないにゃ……。
 オッパイも、もっと、ジンジン。
 
 あ、あふ。
 
 枕にこすり付けちゃうにゃ。
 あん、手のひらにクリクリが当たって、あ、あ……。
 
 もっと、激しく。
 もっと、奥まで欲しいぃ。
 グイッて開いて、かき混ぜて、もう一個の手でクリちゃんをつまんで……。
 枕のザラザラがオッパイの先っぽで気持ちいい。
 
 
 あ、あ。
 キモチよく、なりたい…。
 イきたいよ、
 イきたい。
 ね、
 ね、
 陸くん!
 
 
 はあ、はあ、はあ……。
 
 ……はふ。
 
 
 ダメだにゃ……。
 ジンジンがググッてならない。
 アタマ、ボンヤリ……。カラダ、あっつい……。
 
 ……はふ。
 お道具、使っちゃおうかにゃ。
 ローターくんだったら、気持ちよくなれる、かにゃ。
 ビッグボーイくんでつきつきしたら、イケちゃう、かにゃぁ……
 
 
 ううん、ダメだ〜。
 ちょっと違う。なんか、違う。もっと元気だったら、風邪引いてなかったら、イッパイしちゃうけど。 
 なんか、切ない。どうしてだろ。わかんない……。
 
 
 アタマがボンヤリするにゃ。
 
 カラダがモワモワ……。
 
 ムネが熱くて、なにか詰まっちゃったみたい。
 
 
 もう。
 風邪のバカ!
 風邪のバカぁ!
 風邪のバカ! バカ! バカ!!
 
 
 
 陸くんの……、
 ………陸くんの、バカ!
 
 
 陸の、バカぁぁぁ!!
 
 
 カチャ。
 
 大丈夫、千波美。
 …え、ま、ママ。
 声が聞こえたけど、どうかした?
 あ、あ……。帰ってたんだ。
 えっと、えっと……。
 あ、ちょっと変な夢見ちゃった。熱のせいかなぁ。
 どれ。
 ママの丸い顔がそばに。冷たい手のひらが額に、それで、手首を指で押さえて。
 熱はないみたいだけど。ちょっと、脈が……。薬、飲んだ?
 うん。
 
 机の上の薬袋を見るエプロンの背中。
 あう、心配だけはかけないようにって思ってたのに。
 ダメだにゃ。
 
 もう……。
 ちょっとあきれたみたいな感じの声。
 あんたは……。二つと一つって言ったでしょ。
 え?
 お薬の数。どうして一度に二袋も飲むの? どうりで変に冷たいと思った。
 え、だって、ふたつとひとつでしょ……あ。
 そっか、ふた粒とひと袋……
 アセっ。はずかし……。
 うう、わたし、ダメダメだぁ〜。うぅ……。
 
 ふぅ。ま、しょうがないけど……。
 ツンとほっぺをつつく指先。おなじみの笑い顔。
 ごめんね、ママ。でも、風邪なんて引いたことなかったから。
 ……そうね。気持ち悪くない? 強い薬じゃないから、大丈夫だと思うけど。
 ううん。でも、少しボーっとする、かなぁ。
 そう……。一応、咳止めが入ってるから。
 ママが腰掛けると、ベッドが少しふわっとして。
 何か、食べる?
 う〜ん……。ジュースが欲しいかなぁ。
 わかった。ちょっと待ってなさい。
 
 バタン。
 
 はにゃにゃ。そっかぁ。あんなニガイの、二つなんて変だと思った。
 うにゅ……。ホント、風邪はダメだにゃ。
 早く、治そ! 頑張って。
 もうすぐ、寒いのも終わるし。
 花が咲いて、あったかくなるし。
 うん、そしたら、きっと!

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