ちなみちゃんシリーズ番外編
   ちなみちゃん in Wonderland


 ギラギラギラギラ。
 
 ギラギラギラギラギラ……。
 
 うう〜ん、まっさおだぁ。
 パラソルの向こう側からでも、ジリジリジリ。
 これなら、夏娘っ!でこんがりっ!!に違いないにゃ。
 ほら〜、もう、腕もジリジリ、足もジリジリ、肩も、太ももも。
 
 へへへ〜。
 これでこんがり焼けたら、もっとレベルUPかにゃあ。
 ほらほら、トロピカルフラワーいっぱいのビキニだもん。
 谷間もばっちり、腰もグイッ、だし。
 これで小麦色にチン!ならぁ。
 
 ミリョク大爆発〜!
 
 へへへへ。
 夜が楽しみ、だにゃぁ……。

 
 焼いてるだけじゃ、つまんなくない?
 うん? あらら、これはホントにこんがりさんなお兄さん。
 あ、いいの〜。今日は目一杯焼くんだ。
 そう? ちょっとぐらい遊ばない? ちょうどすいてるしさ。
 筋肉パンパンの腕で、波がザブンな向こうの方を。
 う〜ん、ごめんね。わたし、かなづちなんだよね。
 え、大丈夫大丈夫、あれ、あるしさ。落っこちても、俺、一人く
らいなら背負って泳げるからね。
 
 あ! いいなあ、あれかぁ。
 
 おっきなシャチ。シャチ……。一回、乗りたかったんだぁ……。
 
 な、いいだろ? ほら。
 手、握っちゃおうかなぁ。乗っけてもらうだけだし……。
 せびれにつかまって、まっさおの中。
 
 フワフワ〜。
 フワフワ〜。
  
 むむむん、ダメダメ。
 今日はね、おひさし〜ぶりの海なんだから。
 お誘い嬉しいけど、ダメダメ。
 
 え? 連れあり?
 あ、あいつ? マジ?
 
 波打ち際で、右へ左へ歩いてる陸くん。
 あやって歩いてると、チカラが付くんだって。
 へへ、すっごくおっきくて、たくましいんだぁ。
 ううん、LOVELOVEだにゃ……。
 
 あれ、お兄さん?
 あれれ、いなくなっちゃった。
 もお、お話くらいならいいのに。
 
 へへ〜。陸くん、わたし、ミサオ守っちゃった。
 
 手を振って。チュッ、投げるにゃ。
 陸くんもグーでお返事。
 うう〜ん、シアワセ。
 
  
 
 はにゃ〜、海って、やっぱり色がいっぱい。
 パラソル、ボード、ボール、バーベキューの煙……、それに、い
ろんな水着。

 あ、あの肩のタトゥー、可愛い……。
 おおっ〜、ビーチバレーのお兄さん、すごいジャンプ。
 海の向こうをビシッと見てる係りの人…カッコいいにゃぁ。筋肉
リュウリュウ、でもテキパキ、で。
 ああっ。すごおぃお尻。ビキニも派手だぁ。
 でも、負けてないもん。
 オンナの子は、中身で勝負、なんだ。
 うう〜ん、でもでもあの子、柔らかそうなオッパイなんだにゃ…
…。

 ああうぅ、まっさおだあ。
 のび〜。
 いっぱい焼けそう。
 ひっくり返って、裏もこんがり、こんがり。
 
 風がサワサワサワ。

 気持ち、いいにゃ……。
 
 ………。
 
 ……………。
  
 チクッ。
 
 ……にゃ?
  
 チクチクッ!
  
 …はにゃ?
 
 チクッ!
 
 もう、イタズラだめだにゃ。陸くん。
 ブラのヒモ、引っ張らないんだよ〜。
 そんなチクチクした指でぇ。
 
 チクチク? ふにゃ?
 
 あぅ! ダメだって!
 
 ビシッ。
 ヒモが引っ張られて、あぅ、取っちゃダメぇ!
 
 は、はれ……。って、ハサミが二本の、茶色い甲羅の……?
 
 ええっ?
 って、カニさんっ??
 ああっ、ダメ。
 ハサミで挟んで持ってかないでぇ、わたしのお気にのビキニ! 
  
 遅れるカニ遅れるカニ。
 シャシャシャシャシャ……。
 急いでもダメ。ブラでも取ったら、盗みなんだ!
 返せ!
 
 シャシャシャ!
 茶色い背中に時計の針がグルグル。
 だから、ダメ。急ぐ前に返せぇ!
 シャカッ!
 あん、もう。
 胸隠したままだと、捕まえられない〜。

 ああっ、穴に逃げてっちゃう。
 
 えいっ!
 あ、もうちょっと!
 
 もう、ダイビング!
 
 あ、あ、穴が! グワン……。
 ま、真っ暗。
 落ちちゃう。落ちちゃうよ!
 
 グルグル、目が回る〜。
 真っ暗、坂道、ああああん!
 
 ドン!
 
 い、痛い。
 ど、どこだろ、ここ。
 さ、さっきのカニさんは?
 
 シャカシャカ。
 シャカシャカシャカ……。
 
 う、後ろ?
 こらぁ、返せ! わたしの……。
 
 あ、うぅ、嘘。
 
 誰じゃ。我らが寝床を乱すのは。
 
 女、女王カニさん?
 す、すごい。
 壁いっぱいのおっきさ……。
 
 ち、違うんです。そんなつもりじゃ。
 だって、あなたのお世話のカニさんが……。
 
 問答無用じゃ! かかれ、ものども!
 
 シャカシャカシャカシャカ!
 カシカシカシカシカシ!!
 
 ああん、ダメダメ。そんなハサミでかしかしされたら……。
 もう、腰のヒモ、引っ張らないで!
 切れちゃう、切れちゃう。
 あ、背中かしかししないで。
 ああ〜ん、どうしよ。
 カニの女王様、おっきなハサミ、パチパチパチ。
 
 どうしよう。
  
 うう〜ん。
 ……はにゃ。でもでもこれ、ゼッタイ夢だ。
 だったら、スイッチパチッと入れ直せば。
 そうだよ。
 パチッ、と。
 
 えっと、あん、ダメ。そんなとこの毛、切らないの!
 えっと……。
 ハサミだから、ハサミだから。
 
 そだ……えいっ!
 
 ほら、ね。
 ハサミといえば、やっぱり。
 
 お客さま、今日はどうなさいますか?
 
 うんうん、これなら、大丈夫。
 えっと、ちょっとだけ毛先を切って、それで……。
 
 ああ! でもでもでも!
 なんでなんで、美容師さんは服を着てなきゃ。
 ダメだよ、裸じゃ。
 それに、何でこんなに沢山いるの〜。
 
 シャカシャカシャカ。
 
 ああ〜っ! 変わってない、変わってない!
 中身はカニさんのままだ。
 うう、暗いお部屋に一杯のカニ美容師。
 みんな裸〜!
 ダメダメダメダメ。
 
 うぅ、切らないで。縦ロールレイヤー、お気になんだからぁ!
 
 あ、今。
 並んでる美容師さんの中に……。
 間違いないにゃ。
 黒いアタマで、がっちりしてたもん。
 
 ああぅ、見えなくなっちゃう。
 フワフワ黄色や赤の頭に埋もれちゃう。
 
 カシカシカシ。
 シャカシャカシャカ……。
 
 う、も、もう、こうなったら。
 
 隠してた胸をチラッ。
 両手でギュッて寄せて、上目でチュッ。
 ホラホラ、すごい谷間でしょ。
 触りたい?
 ……ダァメ。

 え、こっちも見たいの?
 うう〜ん、どうしようかなぁ。
 揃えてた足をちょおっとだけゆるくして、ほら、あ、見えちゃっ
た?

 ボキン。

 アン、思ったとおり。
 いっぱい、ギンギン。みんな立派だ〜。
 しゃかしゃかも止まったし、だよね。男の子なら。

 えっと……。
 立ち上がっちゃった林の中に……。
 あ、あれだにゃ。
 間違いナシ。
 太くって、おっきくって、ちょっと右に曲がってて……。

 ギュッ。
 
 ほら、やっぱり。
 捕まえた、わたしの……。



 おい。

 う、うにゃ……。

 まったく、どこが裏門で待ち合わせだよ、ちなは。

 は、しょ、しょうだ。陸くんの部活が終わるのに合わせてって…
…。
 まったく、よく寝るなあ、ちなは。
 う、うん。
 頭に、おっきな手がふわ。へへへ、うにゃにゃ〜。

 あのね。
 ん?
 変な夢見ちゃった。
 変て、もしかして、エッチな奴か。
 う、うん。
 (でも、ちょっと話すのは恥ずかしいかにゃ)
 ……行くか、ちな。
 うん。
 へへ、お久しぶりの陸くんとお帰り。うれしい〜。



 夕日が真っ赤。
 風が涼しくって、でも、陸くんの身体はあったかくて。
 ギュッ。
 へへへ、埋もれちゃうもん。

 寒くなってきたなぁ。
 うん。
 今度の試合が終わったら、どっか行くか。
 うん。
 どこにする?
 う〜ん、どこでもいいよ。陸くんが決めて。
 そっか。でも、いいのか、俺が選ぶと運動系だぞ。
 
 おい。
 
 スキーとか? いいよ〜。大歓迎。
 
 おい、ちょっといいか? 
 
 え、え? わたし達のこと?
 そうだよ。可愛くって、どうしても声かけたくなった。
 
 え、も、もう。
 陸くん、彼氏連れでもナンパされちゃった、わたし。
 どうしよう〜。
 
 何言ってんだか、お前は。良く見てみろよ。
 
 え、どうして?
 
 う、ウソウソ! この人!
 だって、陸くんは、隣に。
 え、どっちも、陸くん?
 は、はにゃにゃにゃにゃ!?
 前に立ってるのも、横で肩をギュしてくれてるのも……。
 なんで?
 
 いいんだよ、千波美。
 でもぉ、だって、こんなの。
 困らないだろ、俺が二人いても。
 う、うん……。そおだけど……。
 照れちゃう〜。キリリとした眉で、グイッって。
 もう、両側から。
 
 ああん、どしたらいいのか〜。
 困っちゃう。
 
 どうもしなくていいよ、任せておけば。
 
 
 
 あん、光速。
 だって、二人だもん。
 背中からブラウス脱がされちゃったら、え、もう、ブラも。
 あ。
 後ろからグッて抱え込まれちゃって、胸をやんわり。
 あ。
 前からも太ももをすぅ〜っ。
 あん。
 唇をチュ。あったかい舌が入ってきて。でも、耳たぶにも……。
 ああん。
 すごいよぉ。足に当たってるのも、お尻のビクビクも、うん、陸
くんのだ。
 後ろ手で先っぽをキュ。大きくなってねぇ。
 足の間でギュゥ。あん、こすれちゃうぅ。
 舌がいっぱい暴れ回って、でも、後ろからオッパイを捏ねるみた
いにされるとぉ。
 あああん、ダメ。
 
 わたし、陸くんのサンドイッチ。
 あう、全部が包まれてるみたい。
 あん、もう……。
 
 ニュルッて、クリちゃんがつままれて。
 あ、お尻のスジに沿って、ススッて。
 ジリジリ、するう。
 もう、あ、身体中が。
 
 欲しいよぉ。
 
 ああ、いくぞ。
 
 あん、下から突き上げて、ググッ。
 中に、奥まで、入ってくる。ズン、て突き当たってる。
 あ、そっちも、だよね。
 息抜いて……。グググ。
 あ、あうう。
 陸くんでいっぱい。もう、前も、後ろも。
 アン、動かないで。
 あっつく、なっちゃう。
 
 陸くんも、気持ちよくなって。
 腰、動かさなきゃ。
 あん、でも、両方が熱くって、動かせない。
 このままじゃ、わたしだけ、イっちゃうぅ。
 陸くんも、陸も!
 いっぱい、愛してあげたいのに。
 
 
 前から腰がぐいっ。
 あ、うん。
 ナイス、もう一本。へへ。
 あん、3人目の陸くん。
 
 ああう、お口でしちゃうね。
 ハリハリの先っぽをチロリ。
 うん、いつもの味だぁ。
 ニュニュニュ……。
 ギュウゥゥ。
 思いっきり吸ってあげるから、うん、突き出して。
 喉にグッて当てたら、いいよね。
 あ、頭の芯が、ジン、てしたぁ……。
 
 ああう、すご、すごい。
 ゴシゴシ、パンパン、動いてる。
 陸のが、もう、お腹とお尻の中で、ぐいぐい。
 ああん、こじ開けて。陸ので。
 ち、力が入らないよぉ。
 足がガクガク、あ、擦れてるのが全部になっちゃう。
 うぅ、お口にも。
 ね、いっぱいしゃぶっちゃうから、ここでも、イって。
 全部が、陸の。
 イって。
 ね。
 
 あ、あっついのが、溢れて、腰から全部……あ、アン!
 
 あ、ううっ……。
 
 ……ヤダ、真っ白。(身体も、心も)
 
 ……ああん、隅々まで愛してもらっちゃった。
 
 ……もう、陸の、パパの色で一杯だぁ……。
 
 ふぅ。
 はあぁ……。
 
  
 
 
 あの……。
 
 はい?
 
 あの、これで、ですか?
 
 そうよ。
 
 え、ええと。その、協力いただいてこういうのも失礼かと思うの
ですが……。
 なあに?
 もっと、その、普通の感じには……。
 普通? だって、お兄さん、思ったようにって。
 え、でも、ですね。人妻の方からいただける人気パターンとして
は、不倫とか、その、初めての頃の思い出とか……。
 えぇっ! だって、好きに連想してくださいって言ったの、お兄
さんでしょう? これじゃ、ダメ? みんなの役に立たないの?
 す、すみません。クレジットポイントは、しっかり送付させて…
…。
 いいの、そんなのは。お兄さん、いい人だと思ったから……。

 パシッ――。
 
 あ、切れちゃった。もう、ひどいんだから。
 マイスペースに入れるんじゃなかったかなぁ。
 
 
 どうしましたか?
 あ、グラ。あのねぇ、V・P用のデータ、取らして下さいって営
業が来たから、コネクトしてあげてたんだけど……、もう、ひどい
んだから。
 
 
 そうですか。何か、違法なことはありましたか?
 つるっと丸いフェイスで赤いセンサーアイがきらきら。
 ううん、そういうことじゃないの。ああ、でも、グラにはわから
ないかぁ。
 どうですか? 不正なら、ログを見て、アクセス元を……。
 あ、いいのいいの。そうだ、グラ、お洗濯はしまってくれた?
 はい。沙里さんのも、公人さんのも、終了しています。
 じゃ、ご苦労様。あとは夕飯まで、いいから。
 オフ、と言う事でよろしいでしょうか。
 うん、おやすみ。いつもありがと。
 
 腰がくるっと回転、静かに廊下の向こうへと動き始めるグラ。
 ああ、なんだか、じんわり。
 もう、あんなの連想させるんだもの。
 スイッチ、入っちゃったかも。
 うう、もう……。
 どうしよ。
 うう〜ん。
 
 
 ……ベッドルームに行って、ちょちょっとしちゃおうかなぁ。
 
 
 シュゥゥ。
 
 千波美さん。
 ぐ、グラ、どうしたの?
 脇からアームが伸びて、手のひらには小さなカードキーが。
 これを。旦那さまから、昨日の夜、そろそろ出してあげる頃だ、
と。
 え? まさか……それって……。
 はい。どうぞ、お持ちください。
 
 
 
 
 バタン。
 ええと、あんまり使ったこと、ないから……。
 ここだよね、キー通すのって。
 それで、オブジェクト、ボタンだよね。
 
 固形化作業中……残り3分。
 ガチャン。
 シュゥゥ。
 ジュワワワ……。
 
 大丈夫かな、電気。固形化ボックス、結構消費しちゃうから……。
 規定量行きませんように……。
 
 シュッ!
 
 あ、も、もう!
 すごい、そのままだあ。
 トレーの上には、もう、もう、そのままの。
 ああん、あったかい。
 ああん、すりすりすり……。
 
 えっと、さっそく使っちゃおう。
 だって、パパ公認だもの。うう〜ん、型取ってくれたって、ほん
とうだったんだぁ。
 
 あ、あれ……? カードも?
 
 くれぐれも使い過ぎないように。
 数日後には本物が行く。
 
 うん、わかってるよ〜。
 ありがと、パパ。
 さきっぽに、チュ。
 
 あ、なんだか、本物みたいにビクッてしたみたい。
 ふふふ。
 ゆっくり楽しんじゃおうかなぁ。
 もうもう、もう。
 
 ええと、まだ時間あるものね、子供達が帰ってくるまで。
 うん。大丈夫。
 
 それじゃ、いざ。
 
 ……バタン。

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